不凍タンパク質(AFP)とは何か? 津田 栄

 
 
   

   凍結前のゲル(AFP+)

 

凍結後のゲル(AFP+)

   
(10/12)次に、AFPを添加したゲルを凍らせた結果を示します。あらかじめAFPの水溶液を容器に入れておき、そこに熱い寒天液を混ぜることで、約0.2µg/mLのAFPを含む0.5%寒天ゲルを作ります(左上, 動画)。それを冷凍庫で凍らせた後、解凍後の状態を撮影したものが右上の画像です。AFPは凍結時に生成する単結晶氷の1つ1つに結合して凍結濃縮現象を阻害します(page 8)。AFPがあることでゲルの網目を突き破るような氷塊ができない為、ゲル構造が保持されると私たちは考えています 。現在、このAFP機能を食品や細胞の凍結保存に応用するための研究が世界中で進められています。(-> next)(-> page1